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2013年3月11日月曜日

サンクリでの滞在記。サパティスタ民族解放軍との出会い。






サンクリでの滞在記。
サパティスタ民族解放軍との出会い。








ここサンクリに滞在して一週間が経過しようとしていた。

宿にいる犬が可愛すぎてたまらない。
まるで小熊。

2匹ともすぐに膝の上で寝てしまう。







今回の旅が始まり
英語圏のアメリカを経由して
スペイン語圏のメキシコ、キューバ、そしてメキシコ再入国。
およそ一ヶ月半が経過しようとしていた。





メキシコ、キューバで英語を話せる人はごく一部。
その為、スペイン語の話せない人は
言葉を通じての会話は不可能に等しい。


もちろん言葉の壁を越えるコミュニケーション
どこの国にいても可能だが
やはり言葉が通じないという事は買い物一つにしても困難だ。





一ヶ月間、現地の人々と交流し
少なからずスペイン語の数字、挨拶、伝えたい言葉が見つかってきた。



こうなってくると楽しいもんだね。














話は変わるが
このメキシコのサンクリストバル・デ・ラスカサスのあるチアパス州
メキシコの中でも最も貧しい州と言われている。


例えば街で見かける
大型のスーパーマーケット



そのレジでは
おそらくレジで働く主婦の息子
会計が終わったら
率先して袋に入れチップをもらう。

やや強引な方法ではあるが
賢いやり方だとも言える。




街中ではこうだ。


手作りの民芸品をお母さんと一緒に売り歩く。

もちろん子供だけで売り歩いている姿も頻繁に目にする。







それも朝早くから夜遅くまで









日本ではまず見られない光景だろう。


自分たちが子供の頃なんて
何も考えずに鼻たらして遊んでた記憶しか無い。


日本でも貧富の差はあるとしても
働かざるおえないほどの環境はなかった。









数日後、この地を離れる予定になったのだが
これまでの滞在中に、乗り合いバスに乗り近隣の村へと移動した。


その中でも印象深かった出来事を紹介したいと思う。




一見カラフルでご機嫌なグラフィティーアートとだけ
感じたかもしれない。








では皆さんはこんなデザインを見た事があるでしょうか?



これは
メキシコに存在するサパティスタ人民解放軍を象徴するイメージの一つ。






このチアパス州にはサパティスタの多くの自治体が存在し
その中心とされる場所へ訪れることにした。



スペイン語の堪能な友人と一緒に訪れたのだけれど



この自治区内に入るには
パスポートを提示し、理由を説明。
担当官の面接、そして許可が出れば
中に入る事が出来る。



入り口にはゲートがあり
覆面をした男性が見張りをしている。



浅い知識で多くは語れない。
申請を出せば活動にも参加出来るらしいが
もちろんそんな状態で参加するつもりもないし


あくまでも自分はただの外国人旅行者。
感じた事を正直にここに綴り残しておこうと思う。



まずサパティスタについて
詳しく知りたい人は
こちら↓








あくまでも自分なりの解釈になるのだが
わかりやすく説明するとすれば




「人々が人間らしい生活を行える活動」


サパティスタとは、
社会的な先住民への差別の廃絶
農地改革修正
尊厳の回復を唱え
新自由主義への反対


それが掲げているメッセージ。





さらにわかりやすく例を挙げるとすれば

日本で今、出来る限りの生活をする為に
必死に働いている人々がいるとする。

今、生活していく事がギリギリの状態。

そんな時に
「はい。これから国を発展させる為に物価が2倍
いや、何倍になるかはわかりません!」

そんな事を言われたらどうする?
一部の富裕層の人間はそれでも生きられるだろう。
でもそうではない人々は...??




この革命行動に対して国は空爆行為に出て多くの犠牲者を出したのだが
サパティスタ民族解放軍の特徴としては
それに対しテロや暴動等の武力行使ではなくインターネットを使い、世界中の人々にメッセージを訴える。



現代の風刺を上手く使った活動だ。




そう思うと
一概にアナログな世界の方が人間味があって良いとは言い切れない。
ITの時代も考え方次第では良い方向に転換される。









ちなみに彼らも銃を持ったりしているが、
あくまでもそれは自分達の身を守る為のもの。


侍の精神論だね。




※↑ネットよりイメージ画像を拝借しました。



覆面を外しているという事もあり
自治区内の人々の撮影は禁止。


中には学校もあり、物作りをしている人もいる。
人々はここで生活している。



しかし、外壁に描かれているアートでそのメッセージ性は十分に伝わる。

















メキシコの革命家であり国民的英雄、エアミリアーノ・サパタ
彼の名がサパティスタの名前の由来。









そしてこのちょっとポップなトウモロコシ。
実はこれにも深い意味がある。

マヤの人々にとってトウモロコシという物は
主食であり、人々はトウモロコシから生まれたと言われる程
大切な物。

日本でいう米の存在。
「米は一粒残さず食べなさい!」
と親に怒られた事はあるでしょ?
どんな食べ物も農家の人々が作っているのにもかかわらず
米の存在価値は大きい。





































そしてサパティスタの掲げている
メッセージでとても印象に残ったのが
このカタツムリの形をしたサパティスタ。


この発信しているメッセージは

「LENTO  PERO  AVANZO」





この意味は


「ゆっくりでいいから前へ進んでいこう。」



この言葉はとても胸に響いた。
一瞬で好きな言葉になった。



国や環境、状況
全てにおいて違う世界に存在しているが

この言葉は
どんな人々にも言える言葉。


日本にも日進月歩、切磋琢磨の様な素晴らしい言葉があるが
それは勉強や言葉で感じる事ではなく
こうして生活して学んだ事からの教訓として始めて理解出来るのだろうね。









たった一日、あの場に訪れたからと言って
全てがわかった訳ではないが
伝える事、メッセージの重要性
実際に見て感じる事は多かった。





そして今日一つの答えが出た。

共感して共に運動に参加するのは個人の自由だが
それよりも簡単に誰にでも出来ることがある。




発展途上の国よりも裕福な日本人旅行者が現地で出来る事。



それは少しでもこの地で、現地で作った物を買い
この地にお金を落として行く。




これだけでも十分
本来の人間の持つ
需要と供給の関係が成り立つ。






それが一番シンプル
一番皆が笑顔になる形だと思った。































それにしてもね。


このメッセージはどうかと思う。


「節水」





しかもイカツイ
「龍」のデザインで「節水」て!
そこで訴えなくても。笑



おそらくそこには意味はなく
漢字の形が格好良かったんだろう。
外国人らしい発想やね。笑